[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
02
次の日、菓子折りを持って隣人にあいさつに行った。
ピンポーン、とベルを鳴らす。古びたベルは、錆びた音が鳴った。
(留守かな……)
隣人が出てくる気配がない。
そう思っているうちにがちゃっとドアが開いた。
「……はぁい」
――間違いなく、あの時の酔っ払い。
見るからに酒臭い、顔色の悪い青年を見て、胡桃は夜の光景が浮かんだ。
反射的に思わず顔をくるっと横向ける。
「横に引っ越してきました井上です。よろしくお願いします」
「あ、どーも……」
菓子折りを渡す。
隣人の男は受け取るなり扉を閉めた。
(感じ悪ぅ)
胡桃は表情引きつりながら自分の部屋へ戻った。
≪ 03 | | HOME | | 01 ≫ |