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07
夢を見た。
またしても、あの夢だ。
白い部屋に、綾と自分だけがいた。
ベッドの上で、身にまとわない姿で。
綾は驚くほど素直だった。荒い息で、熱を感じている。
思わず、頭がくらくらするほどに。
目が覚めて、崇は目を覆った。
深くため息を吐く。
(また見たよ……)
何度も、大きく深呼吸をした。
深呼吸は、そのたびため息に変わった。
自分は綾のことが気になる。
それは、音楽の面でもそうだったし、異性としてもそうだった。
だけど、綾は自分のことを見ていない。
眼中にない。
それがこれほど重たく感じていることに驚く。
夢に気持ちが反映されているのかな。
そんな風に、見たくないんだけどな。
崇は自嘲するように小さく笑った。
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